白濁湯はにごり湯の中でも白色に濁っている温泉のことです。温泉というとまず白濁湯を思い浮かべるかたも多いと思いますが、それほど人気の高いにごり湯です。

白といってもその成分と光の具合によって青っぽい白・グレーっぽい白・牛乳のような乳白色と様々です。

なぜお湯が白く濁るのか、また白さ加減が日によって・時間によっても違うのかというと、こんな理由があります。
ほとんどの場合は源泉湧き出し時は無色透明だった温泉が空気に触れることで硫黄(硫化水素)成分が酸化して水に溶けきれない硫黄が細かい粒子(コロイド粒子)になります。これが大きくなったものが湯の花です。この湯の花がたくさんあるとお湯が白く濁るのです。だから遠くから見ると白いお湯に見えますが、厳密にはお湯が白いのではなくて白い湯の花(コロイド粒子)の細かい粒々が光の反射などによって白いお湯に見せているのです。

このように白濁湯は光によって大きく影響を受けるのでその日の天気や時間によっても濁り具合にかなり差が出てきます。
さらに、お湯の酸化具合によっても湯の花(コロイド粒子)の量が違うので白濁の状態が変わってきます。白さが薄いのは新鮮なお湯(源泉が湧き出してから時間があまり経っていない)という場所もあります。

白濁湯の多くは硫黄泉ですが、その他にも硫黄成分以外にも高濃度の重層泉(ナトリウム‐炭酸水素塩泉)またはカルシウムが含まれていて尚且つその他の成分は色に変化に影響しずらい温泉も白濁湯になりやすいです。

白濁湯には硫黄成分が高いために硫黄の匂いが強いことも多く、余計に私たちが思い描く「温泉らしい温泉」が楽しめるのが魅力です。